「お前の笑った顔、だいっ嫌いヨ」
江戸の歌舞伎町では日常茶飯事となっている(とかなんとか土方さんが言ってた)チャイナと俺の戦い(戦いじゃなくて喧嘩だろとかなんとか土方さんが言ってた)。
いつもと違うのは、今日はいつもチャイナと一緒にいる馬鹿でかい犬もいないし、俺にいつも一緒にくっついてくる(俺が暴れないようにするための見張りだとかなんとか土方さんが言ってた)土方さんもいない。
いい加減だまれや土方コノヤロー。
そして、チャイナがいつになく神妙な顔つきだった。
んで出た言葉が「だいっ嫌い」
「俺だってお前のことなんてだいっ嫌いでさァ」
別にチャイナのことを大嫌いだとは思っていなかったけど。
大嫌いといわれて俺は別に嫌いじゃない、って言うのは癪に障っただけ。
好きでもないし嫌いでもない。ただ面白いやつだと思ってるだけ。
「心のそこから笑ってない、貼り付けたような笑顔ヨ」
だからなんだっていうんでィ。
俺が近藤さんみたいな馬鹿笑いできると思ってんのかィ?
と言ってやろうと思ったけどなんかチャイナは項垂れている。
張り合いが無くてつまんねーな。
「でも、お前は、」
今度はキッと俺のことを見上げてきた。
あ、でもキッていうのは表現が違うな。
「戦う事だけを楽しんでるわけじゃないからイイネ
守る、ってことを知ってるアル
アイツとは違うネ」
チャイナの下のコンクリがぽたぽたと落ちてくる水滴でぬれていく。
こいつ、泣いてやがる。
end